ユーフォニアム界をリードする名手スティーヴン・ミードが、クロアチア放送交響楽団の金管&打楽器セクションとコラボを重ねて完成したアルバムです。
収録曲は、すべてクロアチア放送響ソロ・トロンボーン奏者ワーニャ・リスヤックの作品もしくは編曲で、レコーディングもクロアチア放送のスタジオで行なわれています。
最も注目すべき作品は、アルバム冒頭を飾る演奏時間約21分の「ユーフォニアム協奏曲」です。
3楽章形式の古典的協奏曲のスタイルで書かれていますが、独奏のバックをオーケストラの金管&打楽器セクションが担っているのが大きな特徴。
超絶技巧や超音域をフィーチャーするコンテンポラリー・タッチの作品ではなく、クラシック音楽の書法に根ざした本格的な協奏曲で、独奏者にも伴奏部にも高い音楽性が求められます。
また、ときおり顔をのぞかせる東欧風のタッチは、われわれ日本人のハートをも大きく揺さぶることでしょう。
噛み締めれば噛み締めるほど味が出る、そんな聴き応えたっぶりの新しいユーフォニアム協奏曲の登場です! ミードは、この協奏曲の他、ハープをバックにフォーレの「パヴァーヌ」、金管&打楽器セクションをバックにラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」の2曲で存在感のあるソロを聴かせてくれます。
クロアチア放送響金管&打楽器セクション単独では、ヘンリー・パーセルやジョヴァン二・ガブリエリが、東欧のオケマンらしい、陰影のあるしっとりとしたタッチで愉しめます。
しかし、本来はクロアチア放送響金管&打楽器セクションのCDだったはずが、ゲストのミードがおいしいところの大部分を持っていってしまった。
そんな印象のこのCD。
ユーフォニアム・ファン、ミード・ファンはもちろん必聴! 広く一般の音楽ファンにおススメしたいアルバムです。
【スティーヴン・ミード】 1962年2月26日、イングランドのボーンマスに生まれる。
世界一とも謳われる神業的なテクニックと、演奏を聴いた誰もが虜にされてしまうほど、豊かな音楽性を併せ持ったユーフォニアム奏者。
金管楽器界のスーパースター、エンターテイナーであり、世界を股にかけて演奏活動を行っている。
委嘱作品も多く、スパークの『ユーフォ二アム協奏曲』やグレイアムのユーフォニアム協奏曲『称う(たとう)べき紳士たちの列伝に』など、数多くの新作を世界初演。
LP、カセット、CDなど、発売された音源は数知れず、ユーフォニアム奏者としての録音曲数も世界一と言われている。
■他のミードのCDは、こちらから ・ユーフォニアム(Euphonium):スティーヴン・ミード(Steven Mad) 1、2、9 ・ハープ(Harp):ミルヤナ・フラニッチ(Mirjana Franic) 2 ・演奏団体:クロアチア放送交響楽団金管&打楽器セクション (Brass and Percussion of the Croatian Radio and Television Symphony Orchestra) ・指揮者:ムラデン・タルブク(Mladen Tarbuk) ・録音:2009.10.12-15、Croatian Radio & Television ・発売元:ボッキーノ (Bocchino) ・発売年:2010年 1. ユーフォニアム協奏曲/ワーニャ・リスヤック 【21:07】 Concerto for Euphonium/Vanja Lisjak I) モデラート Moderato II)リチュアル・ウォルト Ritual Walt III)アレグロ・ジョコーソ Allegro Giocoso 2. パヴァーヌ/ガブリエル・フォーレ (arr. ワーニャ・リスヤック)【7:48】 Pavane/Gabriel Faure (arr. Vanja Lisjak) 3. マーチを集めて/ジャック・ペジブル、トーマス・トレット、ヘンリー・パーセル (arr. ワーニャ・リスヤック) 【6:39】 Marches/Jacques Paisible, Thomas Tollet and Henry Purcell (arr. Vanja Lisjak) 4. 「メアリー女王の葬送音楽」より 主よ,御身は我らの心の秘密を知り給う /ヘンリー・パーセル(arr. ワーニャ・リスヤック) 【1:59】 Thou Knowest Lord, the Secrets of Our Hearts/Henry Purcell (arr. Vanja Lisjak) 5. カンツォーナ/ヘンリー・パーセル(arr. ワーニャ・リスヤック) 【2:13】 Canzona/Henry Purcell (arr. Vanja Lisjak) 6. 主を称えよ、おおエルサレム/ヘンリー・パーセル(arr. ワーニャ・リスヤック) 【6:55】 Praise the Lord, O Jerusalem/Henry Purcell (arr. Vanja Lisjak) 7. ソナタ:ピアノとフォルテ/ジョヴァン二・ガブリエリ (arr. ワーニャ・リスヤック) 【4:15】 Sonata Pian' e Forte/Giovanni Gabrieli (arr. Vanja Lisjak) 8. わがマドンナ、ピエタ/オルランド・ディ・ラッソ (arr. ワーニャ・リスヤック) 【1:37】 Madonna Mia, Pieta /Orlando de Lasso (arr. Vanja Lisjak) 9. 亡き王女のためのパヴァーヌ/モーリス・ラヴェル(arr. ワーニャ・リスヤック) 【6:29】 Pavane Pour Une Infante Defunte/Maurice Ravel (arr. Vanja Lisjak) ≪2010年08月新入荷≫★
1番の聴きものは、リスヤックの「ユーフォニアム協奏曲」 独奏者にも伴奏部にも高い音楽性が求められる本格派の逸品。
ときおり顔をのぞかせる東欧風のタッチも魅力的だ!